靴をつくる機械たち~トーラスター編~ | あしながおじさん / cavacava (サヴァサヴァ)靴の公式通販サイト【公式】

靴をつくる機械たち~トーラスター編~

2024年4月15日

こんにちは。
工場長の齋藤です。

前回の記事に引き続き、今回はトーラスターの使い方、注意しなければならない所、全部は伝わりきらないと思いますがなるべく分かり易い様に説明して行きたいと思います。

前回の記事を読んでいない方はこちら

ではトーラスター行きましょう!

皆さん靴ってみんな同じ様に見えると思いますが
結構違うのです!革の伸び、製甲の上がり具合
仕込みの具合……
他にもまだまだ沢山有ります。

1つ1つ微妙に違う物を同じ様に機械をかける
のって結構むずかしいです。
どうすればなるべく同じ様にかけられるか説明して行きたいと思います。

まずは木型の形に合わせてピンサを調整します。細くしたり広げたり調整ができるようになっています。

木型の形に合ったテフロンバンドを取り付けます。

吹き上げる量(下から木型を持ち上げる量)を調整します。

ワイパーを入れる量を調性します。

まだまだ有るのですが細か過ぎるので省略させてもらいます。

機械の調整が終わったらトーラスターの隣に有る蒸し器で先芯を温めます。これは熱によって
先芯を柔らかくし柔らかい間にトーラスターをかけて木型によりなじませる為です。

横にレバーやらスイッチとかやたら沢山ついているのですが、メインで使うのはフットペダル
ピンサレバー、ワイパーレバーの3箇所位です。
他のスイッチ類はトーラスターをかける前に
靴の種類によって変えたりします。

まずアッパーをピンサにセットします。
噛ませる分量はピンサに溝が有るので何番目の溝に噛ませるかで決めて行きます。
この時もアッパーの上がり具合、革の伸び具合によって噛ませる量を調整します。

ペダルを一回踏むと前の3つのピンサが
アッパーをかみます。

次に後ろの部分も前と同様にピンサにセットしてペダルを踏みっぱなしにします。
この時、木型が左右、前、後ろにズレていないか中心に置かれているかチェックします。

左右のバランスを見ながらピンサを引いてみたり前後に動かしてみたり、吹き上げる量を変えてみたり。結構注意するポイントかあります。

ここまで来れば終わった様なもんです。
後はワイパーレバーを2本同時に手前に倒すとワイパーが入って来て機械が勝手に綺麗にまとめてくれます!便利な優秀な機械です!

この作業を手でまとめると片足で5分〜10分
(木型の形、革の固さでも変わりますが)
位の時間が掛かってしまいます。

トーラスターを使えば

30秒も有れば綺麗にまとまります!
優秀!時短!

実際に見てもらいたいです!

こんな感じでトーラスターを使い
靴の頭部分をまとめて行きます。

もう20年近くトーラスターをかけていますが
毎日、毎日、毎日、毎日
勉強の日々です。

綺麗にトーラスターがかかってあたり前

毎日、そのプレッシャーの中

悩みながら、心が折れながら毎日トーラスターを踏ませてもらってます。

でもトーラスターをかけるのは嫌いでは無いので楽しみながらやらせてもらってます。

トーラスターが決まらないと後々の作業にも
影響して来ます。吊り込みがやりづらくなったり
足入れが変わったり、靴の上がりが変わったり
この辺りを注意しながらトーラスターをかけています。

皆さん僕の説明でお分かり頂けましたでしょうか?あまり学が無いので説明不足かと思いますが
少しでも分かって頂けたならと思います。
動画とかだと伝わりやすそうだけどな〜

次回は別の機械に行きたいと思います!
いつも最後迄ありがとうございます!

さいとう工場長ブログ

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クロスロード生産部の工場長です。浅草にある小さな工場で、あしながおじさんやサヴァサヴァの革靴をつくっています。

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靴の職人たち

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クロスロード生産部の靴職人たちのブログです。日々靴づくりに徹する職人たちの、普段聞けない声や熱い思いが込められています。